分娩予約のご案内
- 分娩を予約制とさせていただいております。里帰りの方も含めて、当院を受診してからの予約でかまいません。
事前にお電話で予約することも可能です。(無料です) - 個室は無料ですが一部ファミリールームなど差額が必要な場合あります。
住所 | 〒870-0021 大分市府内町2-5-13 |
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電話 | 097-532-5289(24時間対応) |
ホームページ | https://horinaga.net |
受付時間 | 平日・土曜日 AM 9:00~12:00、PM 2:00~4:30 |
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火曜・金曜 AM 9:00~12:00、PM 2:00~6:00 |
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休診日 |
日曜日・祝祭日 |
- ※ 分娩・急患の際は時間外でもご連絡ください。 安心して出産に臨んで頂けるよう、スタッフ一同でサポートいたします。
自然分娩
自然分娩とは、医療の手を加えずに、自然の力で産道から赤ちゃんを出産することです。ただし、近年は厳格に医療の手を借りないというのではなく、呼吸法や出産姿勢、疼痛緩和ケアによって、できるだけ痛みを軽減して出産できるようにします。また状況によっては、陣痛促進剤の使用や会陰切開・吸引分娩を行うこともあります。
当院では、自然分娩への希望をバースプランでお聞きした上で、経験豊富な医師や助産師が分娩経過を把握し、産婦人科診療ガイドラインに基づき安全を確保し、できる限り自然なお産が行えるように取り組んでいます。
当院では、少しでも安楽に出産できるように、助産師との面談や母親学級を通して体操や呼吸法、マタニティヨーガなど、体の力を抜くなどの習慣をつけていただくようお勧めしております。
骨盤位については帝王切開分娩となることが多いですが、当院では赤ちゃんの位置や向き・ママの状態を考慮して、外回転術や骨盤位経腟分娩を選ぶことができます。
帝王切開で出産した方の分娩方法ですが、経腟分娩を挑戦することをTOLAC(Trial of labor after cesarean delivery)といい、成功した場合をVBAC(Vaginal birth after cesarean delivery)といいます。当院では条件がよく、本人・パートナーの希望があれば、TOLACを行うことができます。
分娩誘発・陣痛促進
自然に陣痛が起こる前に子宮収縮薬や処置を行い陣痛を開始させることを「分娩誘発」といいます。また、自然の陣痛が弱く、お産の進行が滞ってしまう場合に子宮収縮薬や処置を行うことを「陣痛促進」といいます。 陣痛が始まる仕組みについては、まだはっきりと分かっていない部分も多いのですが、一般的には、母体から出ているホルモンが母体や胎児と何らかの反応をおこして、陣痛が始まるとされています。 しかし、人によってこれはというタイミングに陣痛が始まらないことがあります。また母体の状況によって、陣痛が始まるのを待てないこともあります。 一般的には次のようなときには子宮収縮薬や処置を行って「分娩誘発」や「陣痛促進」といった手立てをとることになります。
1予定日超過
分娩予定日を超過すると、だんだんと胎盤機能が低下することがあります。そうなると赤ちゃんへ十分栄養を届けることが難しくなります。当院では、遅くても41週目で陣痛がおこらない場合は分娩誘発を検討します。
2前期破水
破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて羊水が外に流れ出すことを言います。多くは陣痛が始まってから起こりますが、陣痛が始まる前に破水する場合があり、これを前期破水といいます。
一般的には前期破水がおこると数時間内に陣痛が始まることが多いのですが、24時間以内に始まらない場合は、腟内の雑菌によって母体、胎児ともに感染症を起こすリスクが高まります。感染が起こる前に分娩誘発を検討します。
前期破水で陣痛が起こらない場合は分娩促進を行います。妊娠37週未満(早産期)の破水に関しては場合によっては、高次医療機関へ母体搬送を行います。
3微弱陣痛
陣痛の弱い状態(微弱陣痛)が長時間続くとママが疲れてしまい、出産が思うように進まないことがあります。このような状態になると赤ちゃんも苦しくなったり、出産がつらくなります。また、産後の出血が多くなることがあります。このような場合、分娩促進が必要であると判断した場合は実施します。
なお、原因を探った上で、感染や胎盤の機能の低下などがない場合の微弱陣痛では、自然な陣痛の推移を見守り、改めて分娩が進行するのを待つことが可能なこともあります。
4巨大児疑い
経腹超音波によって胎児を計測しますが、その際、週数に対して大きすぎると難産や鎖骨骨折などの胎児外傷リスクが高くなります。そのため早期の分娩誘発を検討することがあります。
5母体の疾患・胎児の状態
ママが妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などがあり、ママの体にとって妊娠を続けることが好ましくないような状態に陥ったときには分娩促進を検討することがあります。
骨盤位(逆子)について
通常妊娠中の赤ちゃんの頭はママの骨盤の中に入り込むように固定されていきます。この位置を頭位といいますが、稀に赤ちゃんの頭の位置が頭位以外になることがあります。
一般的には骨盤位もしくは横位などの非頭位の状態であればほとんどの病院が分娩方法を帝王切開とします。
当院ではご希望がある場合にできるだけママの負担を減らす目的で妊娠期間中の医療的な介入をもって骨盤位の矯正を行うことができます。
逆子体操や鍼・お灸などを行います。それでも直らない場合は妊娠36週の時期に短期間の入院で点滴による子宮収縮抑制剤を使用し、超音波を用いてお腹の上から赤ちゃんを動かして位置を頭位に矯正する外回転術を行うこともあります。
このような処置を行ってなお位置が変わらない場合でも、御本人の希望があれば骨盤位での分娩を行うこともできます。当院では経験豊富な医師や助産師のもとで分娩経過を確認しつつ緊急時に対応できるように帝王切開分娩の準備もおこない骨盤位分娩をおこなっています。
しかしながら全例上記のような処置が行えるわけではありません。最終的には帝王切開による分娩ができますので経腟分娩をご希望されるママはお気軽にご相談ください。
逆子体操
外来検診時に赤ちゃんの位置を超音波で確認して逆子体操の指導を行います。お腹の張りが顕著な場合には子宮収縮抑制剤を使用する場合があります。
鍼・お灸
超音波で胎位を確認した後に、NSTを用いて胎児状態を確認しながら足のスネや小指に鍼をうちます。これをすることにより胎動の増加が見込め胎位の改善が期待できます。お灸は火を使用しないお灸パッチを使用します。鍼治療後に自宅にて行うことで効果を増強させます。その際には逆子体操も自宅で併用していただきます。
外回転術
妊娠中に医者が母体のお腹を押して胎児を回転させて頭位に導き骨盤位を矯正する処置になります。海外の論文より妊娠36週以降に行うと非頭位分娩と帝王切開分娩が減少することがわかっており、アメリカ・イギリスなどの国のガイドラインでは骨盤位の妊婦さんに外回転術を紹介することを推奨しています。
それをふまえて日本の産婦人科診療ガイドラインでは条件を定めています。前置胎盤や胎児機能不全などの経腟分娩の禁忌がないこと・緊急の帝王切開術が可能であること・妊娠36週以降で児が成熟していることになります。
帝王切開既往経腟分娩について
帝王切開既往妊婦に対して試験的に経腟分娩を図ることをTOLAC(Trial of labor after cesarean delivery)といい、成功した場合をVBAC(Vaginal birth after cesarean delivery)といいます。
海外の論文によればTOLACは選択的帝王切開術に比べて母体死亡を優位に減少させるとあります。しかしながら周産期死亡率ではTOLACは選択的帝王切開術よりわずかに増加させるとあります。さらに選択的帝王切開術では一般的な手術のリスクである出血・それにともなう輸血・止血のための子宮摘出・高度癒着の形成・創部感染などがあげられます。さらに術後の妊娠における前置胎盤や癒着胎盤発生の増加がみられます。
当院では条件に合致し、本人・パートナーの同意を得た上で産婦人科診療ガイドラインに基づき条件に一致した場合に行うことができます。
- 既往帝王切開術が1回であること
- 既往帝王切開術式が子宮下節横切開で、経過が良好であること
- 子宮体部筋層まで達する手術既往がないこと(子宮筋腫核出術など)
- 子宮破裂の既往がないこと
- 妊婦健診時に帝王切開を行うための術前検査を行うこと
- 分娩の状況によっては緊急の帝王切開術になることに事前に同意し、承諾書を提出していただくこととなります。
全例上記のような処置が行えるわけではありません。最終的には帝王切開による分娩ができますので経腟分娩をご希望されるママはお気軽にご相談ください。
帝王切開手術について
当院では、できるかぎり安全な自然分娩を目指していますが、母体や胎児の状態によっては帝王切開を行うケースもあります。
帝王切開を行うようになるのは逆子(骨盤位など)の状態や前回の出産で帝王切開となった場合、子宮手術(子宮筋腫核出術など)の既往がある場合や、胎児機能不全と言われる子宮内で赤ちゃんの状態が元気のない場合や、分娩停止などの経腟分娩ができない場合、に行います。
このように予定帝王切開術や緊急帝王切開術をおこない安全に対応していきます。
バースプラン(お産の企画書)について
妊娠20週くらいに「バースプラン(お産の企画書)」をお渡しさせていただきます。 その中で夫の立ち合い分娩のご希望を伺います。
里帰り出産について
里帰り出産をご希望の方は、まず当院へご連絡いただき分娩の予約をお願いいたします。
その後、経過に問題がなければ、妊娠34週付近での受診をお願いしております。妊婦健診の予約もありますので前もってご予約ください。
これまでかかっていた産婦人科から妊娠経過について何か指摘があった場合には、当院にも必ずお伝えください。
母体・胎児の状況によっては高次医療機関での分娩をおすすめする場合もあります。
分娩に関しては予測不可能な状態になる場合があります。
その場合は当院で分娩を行い対応するか、処置後に高次医療機関(大分県立病院もしくは大分大学医学部附属病院)への母体搬送や新生児搬送になる場合があります。
いずれにせよ高次医療機関への連携を行いつつ対応させていただきます。