ブライダルチェックとは
ブライダルチェックには2つの意味を持ちます。
一つは、健康かどうかを確認する簡単な健康診断です。
もう一つは、妊娠に影響を与える可能性のある病気の有無を確認する検査です。
妊娠は、女性の体に大きな負担をもたらすもので、明治時代までは産後の回復不良で死亡することがよくありました。
通常は問題にならない病気でも、妊娠中はママと胎児の身体に大きな負担がかかっています。
妊娠について考え始めた方は、機会があれば調べてみるのもお勧めです。
お勧めの検査と検査費用
自治体から助成され、患者様の負担額が安く抑えられる検査もあります。
検査 | 料金 |
---|---|
ブライダルチェック (経膣超音波検査/子宮頸部細胞診/梅毒/ B型肝炎/C型肝炎/HIV/クラミジア/淋菌) | 17,000円 |
検査項目
梅毒 | 2,500円 |
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B型肝炎 | 3,000円 |
C型肝炎 | 3,000円 |
HIV | 3,000円 |
血液型 | 2,500円 |
クラミジア・淋病 | 4,000円 |
妊娠時に影響する疾患について
子宮頸がんとクラミジアについては、そもそも定期的に検査を受けるべき疾患です。
妊娠に影響を与える疾患は他にもありますので、安心するためにも一度は検査を受けてきましょう。
風疹抗体価
昭和54年〜昭和62年生まれの女性は、風疹の予防接種についてよく知られていない世代だったため、風疹が流行してしまいました。
風疹は妊娠初期に感染してしまうと、胎児にも影響が出てしまう疾患です。
風疹に感染した経験がある場合は再感染の危険はありませんが、経験がない場合はワクチン接種によってその危険を回避できます。
風疹抗体価は、風疹に罹った経験があるかどうかを事前に調べる検査です。
子宮頸がん
子宮頸がんは本邦では1年間におよそ10000人の女性で発症し、30 歳の女性が最も罹りやすくなっています。
病気が進行した段階で発見された場合、子宮に大きな負担がかかっており、女性は妊娠をあきらめなければならない場合があります。生命を脅かす理由だけでなく、妊娠する能力を維持するためにも早期発見が重要です。
貧血
女性は貧血になりやすい傾向があります。
妊娠すると胎児が鉄分を必要とするため、さらに貧血になる可能性が高くなので気をつけなければなりません。出産を無事に終えるためにも貧血がない状態を維持することが大切です。
糖尿病
糖尿病は若い女性はほとんど発症しませんが、妊娠中に患ってしまうと胎児の奇形リスクが上がる可能性があります。また、妊娠中に高血糖になることで、胎児が過大成長することがあり、難産につながる場合もあります。
そのため、女性は一度でも検査を受けることをお勧めします。
クラミジア
クラミジアは性感染症の一つで、令和に入ってクラミジア感染症の中で20代の罹患率が6割を超えていることが確認されています。10代は約10%、30代は約20%でした。(感染症発生動向調査より)
治療せずに放置すると、感染が卵管に広がって不妊の原因となる可能性があります。
子宮内膜症
子宮内膜症とは子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生する病気です。子宮内膜症には生殖可能年齢の10人に1人が患っているとされており、悪化すると周囲との癒着を引き起こしてしまいます。
子宮筋腫
子宮筋腫とは子宮筋層に発生する良性の腫瘍です。30歳以上の女性の20~30%にみられ、40歳以上になるとさらに増加します。
子宮筋腫が小さい場合は無症状で、妊娠への影響はさほどないことがおおいですが、大きい場合やできる場所によっては、不妊の原因となったり、妊娠中の痛み、早産や難産に繋がることもあります。
卵巣腫瘍
卵巣腫瘍とは、卵巣に発生する腫瘍で、さまざまな腫瘍ができます。
小さい場合は無症状ですが、大きい場合には悪性腫瘍(卵巣がん)の可能性が高くなったり、下腹部痛を引き起こすことがあります。
妊娠中に大きくなる場合もありますが、妊娠すると発見困難な場合もあります。
甲状腺機能異常
甲状腺機能異常は女性に多く見られ、特に30歳前後の若い女性に多いです。
橋本病による機能低下やバセドウ病といった機能亢進などでも、生理の異常や不妊の原因となることがあります。
以前から橋本病は、流産を引き起こす原因として知られています。