アフターピル(緊急避妊ピル)
アフターピルは緊急避妊ピルとも言われており、避妊に失敗した場合や避妊をしていなかった場合の性行為から72時間以内に使用する、緊急避妊薬のことです。
次の生理周期まで不安な気持ちを持って過ごすのは心苦しいものです。不安があるが方は、お気軽に当院までご相談ください。
当院では、ヤッペ法とレボノルゲストレル法どちらも処方しております。
アフターピル(緊急避妊ピル)の作用仕組み
アフターピルの作用の仕組みは完全に解明されていませんが、得られる効果は着床の阻害というよりは排卵の遅延や抑制によるものだと考えられています。
アフターピル(緊急避妊ピル)が必要な場面
- 腟外射精
- 避妊具を使用しない性行為
- 下痢などが原因でピルが吸収されない場合や低用量ピルの服用を忘れた場合
- コンドームが外れたり破損した場合
など
ポイント
腟外射精は避妊法の一つではないことにご注意ください。
腟外射精の失敗率(パール指数)は22%と言われており、つまり1年間に腟外射精を行った100人の女性の内、約4~5人に1人が妊娠する可能性があります。腟外射精があった場合は、避妊を怠った場合と同様に対処しなければなりません。
アフターピル(緊急避妊ピル)の種類について
ヤッぺ法
ヤッペ法と呼ばれる、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤を内服する方法があります。この緊急避妊方法は、1977年にヤッペ氏らによって発表されました。
レボノルゲストレル法
レボノルゲストレルという黄体ホルモンを内服することによる緊急避妊法です。
1998年、WHOが発表した大規模な多施設共同臨床試験の結果から、レボノルゲストレルによる緊急避妊法について以下の2点が明らかになりました。
- レボノルゲストレル法は、ヤッペ法と比較して安全性や緊急避妊の効果も優れている。
- レボノルゲストレル法は1回の投与のみで効果がある。
レボノルゲストレルは日本では現在以下の2種類が発売されています。
- 先発品の商品名は「ノルレボ」(一般名は「レボノルゲストレル」)
- 後発品の商品名は「レボノルゲストレル」(一般名は「レボノルゲストレル」)
当院では、レボノルゲストレルを処方いたします。
※一般名と商品名がお薬の名称にはあります。
製薬会社が商標登録した「ブランド名」が商品名であり、お薬の有効成分を示す「有効成分名」が一般名です。多くの場合、後発品(ジェネリック)の名称には一般名が使用されています。
レボノルゲストレル法とヤッペ法の効果の違い
レボノルゲストレル法 | ヤッペ法 | |
---|---|---|
妊娠阻止率 | 85% | 57% |
非妊娠率 | 98.9% | 96.8% |
妊娠例数 | 11人 | 31人 |
登録例数 | 1,001人 | 997人 |
( WHO大規模多施設共同臨床試験:Lancet,352:428-433,1998)
※妊娠阻止率とは、生理周期や妊娠の可能性がある時期に、お薬を服用して妊娠しなかった割合を指します。
※非妊娠率とは、生理周期に関係なく、お薬を服用して妊娠しなかった割合を指します。
当院では、患者さんにヤッペ法とレボノルゲストレル法のどちらを服用するか選択頂きます。迷われている方には、副作用が少なく、緊急避妊効果が高いレボノルゲストレル法をお勧めしています。
ポイント①
排卵予定日前後に避妊失敗があった場合、アフターピルを適切に服用しても、ヤッペ法では10人中4人、レボノルゲストレル法でも10人中1〜2人は妊娠が続いてしまう可能性があります。
ポイント②
アフターピルはコンドームが破損した際の緊急の対処手段に過ぎません。慌ててアルターピルを服用するよりも、日常的に避妊をしっかりと行うことが重要です。
正しく服用すれば、低用量ピルはほぼ100%の避妊効果を発揮します。
アフターピル(緊急避妊ピル)の内服方法
ヤッペ法 | 性交渉後、72時間以内にホルモン配合剤ピル(ノルゲストレル+エチニルエストラジオール)を2錠内服し、その12時間後にさらに2錠内服します。 |
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レボノルゲストレル法 | 性交後72時間以内5レボノルゲストレル(黄体ホルモン剤 150mg)を1回内服します。 |
アフターピル(緊急避妊ピル)の副作用
ヤッペ法は副作用として吐き気が起きることがあり、一方レボノルゲストレル法は副作用がほとんど出なく、3,6%の確率で悪心が見られる程度で副作用は軽微です。
アフターピル(緊急避妊ピル)の内服後について
妊娠回避の判定
アフターピルの内服後の生理様出血は、およそ7日以内に見られることが大多数です。早い人で3日、遅いひとになると予定生理日直前になることもあります。
この出血が確認できない場合は妊娠回避ができなかった可能性が高くなります。
ポイント①
緊急避妊ピルを内服後は、生理様出血があるまでは性交渉は控えてください。
ポイント②
予定された生理日から7日以上遅れたり、通常よりも軽い出血がある場合は、診察のために受診してください。また、市販の妊娠検査キットを使って自己判断することもできます。
ポイント③
市販の妊娠チェッカーを使用する場合は、hCG 25IU(25単位)といった反応が強いものを選ぶようにしましょう。当院でも25IUを使用しております。hCG 50IU(50単位)以上の反応が弱いタイプの場合、性交後3週間以上経ってからしか反応しない場合があるのでお勧めできません。
妊娠回避ができた場合
妊娠回避できた場合は、慌てないためにも今後は必ず確実な避妊方法を行ってください。問題が起こる前に対策を講じることが重要です。
女性にとって人工妊娠中絶は、精神的、身体的、そして経済的にも非常に影響があります。自分の体は自分で守れるようにしましょう。
当院では確実な避妊方法とし低用量ピルを推奨しています
低用量ピルにも副作用はありますが、一過性で軽微なものがほとんどです。当院では、安全に内服できるようにサポートいたます。
アフターピル
妊娠の可能性が高い期間中に、コンドームが破れるなどで避妊に失敗してしまうケースがあります。また望まない性行為などのケースもあります。そんなときはアフターピルという方法があります。
アフターピルは、緊急避妊薬といわれるホルモン薬を服用することによって、排卵を遅らせ妊娠の可能性を減らすものです。
性行為後72時間以内までであれば避妊効果はあるといわれますが、だんだんと避妊成功率は減っていきますので、できるだけ早めにに受診してください。
アフターピルの費用
緊急避妊薬(アフターピル) | 8,000円 |
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※時間外・深夜・休日の場合は金額が異なります